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  5. 今更聞けない特色入稿データの作り方

こんにちは。最近は京都の銭湯サウナめぐりを楽しんでいる、デザイナーのyoshidaです。
水風呂後の外気浴が気持ち良い季節になってきましたね。

さて、今回も意外と知られていない(?)特色入稿データの作り方をアドバイスさせていただこうと思います。
今更聞くのが恥ずかしい…。そんな中堅デザイナーさん、ディレクターさん、こっそりとご覧ください!

特色とは?

印刷においてプロセスカラーでは再現できない色を表現するために、あらかじめ調合(調色)されたインクのこと。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)金や銀、蛍光色がその代表です。

 

特色を使う場面
□企業のコーポレートカラーが指定されている
□CMYKで再現できない色を使うとき
□色数が少ないとき
□カラーで印刷するより安く抑えたいとき etc.

 

 

主なカラーチップ

紙を選ぶように、カラーチップで色を探す時が好きです。ちなみにカラーチップはインキメーカーによりそれぞれリリースされています。

DICカラーガイド(DICグラフィックス株式会社)
言わずと知れたカラーチップの代表。特色といえばDICというイメージですよね。「日本の伝統色」はデザインの際に配色の参考にもなります。

PANTONE(パントン(パントーン)社、アメリカ)
日本にはない鮮やかな色が多いイメージ。個人的に一番好きです。
海外発祥企業のロゴマーク等の色指定はほぼこれがスタンダードではないでしょうか。
余談ですが、自分が高校生の時(たぶん)、某携帯キャリアから「PANTONEケータイ」が出てきたときにその存在を知りました。歳がバレますね笑
※印刷会社によっては指定できない場合がありますので要相談です。

TOYO COLOR FINDER(東洋インキ株式会社)
公式サイトによると、「日本で一番最初に企画制作された色見本帳」だそうです。
パッケージがかっこいいですが、残念ながら一度も指定したことはありません。

 

特色データの作り方

それでは本題に入りましょう。
このように、表は特色のグリーン、金の2C、裏は墨1Cの名刺をデザインしたとします。

特色はスウォッチのメニューからスウォッチライブラリーを開く/カラーブック の中からPANTONE系をセレクトしました。

 

はいこれで入稿〜…ちょっと待った!!
このままでも間違いではないのですが、より正しいデータ作成の方法を身につけましょう!

 

分版プレビューで確認すると、CMYK+特色2色の計6版になっています。
ご丁寧な印刷会社ではこちらでも受付していただけると思いますが、私の場合は「6版になってます!」とよく指摘されていました…。

これを3版のデータに変換する必要があります。

 

スウォッチで特色をダブルクリックし、カラータイプを特色→プロセスカラー に変更し、C100、M0、Y0、K0% に打ち替えます。

こうすることで、特色をシアン版に置き換えます。M100でも良いですが、特色に近い色気のシアンに置き換えました。名前は「toku1」としておきましょう。

同じように、特金部分もマゼンタ版に置き換えます。こちらの名前は「toku2」とします。

するとこのような見た目になります。

 

分版プレビューで確認しましょう。

シアン、マゼンタ、ブラックの版に分けることができました。イエロー版は無いので、表示されません。
これで印刷会社では3版と認識していただけるはずです。

 

印刷会社へ必ず伝えるべきこと

これでデータ自体は完成ですが、何よりも重要なのは「特色で印刷してください」と印刷会社へ伝えることです。

このまま入稿した場合、せっかくの特色がシアン、マゼンタで印刷されるという恐ろしいことに…。
出力したカンプがあれば、カラーチップを貼り付け、「CはPANTONE○○○○○です」など記載してください。
また、データ上では特色ごとにレイヤーを分ける、またはアートボード外に「C=PANTONE○○○○○」などと記載すると分かりやすいでしょう。

 

まとめ

正しいデータを作成することで入稿がスムーズになり、印刷会社の負担軽減につながるとともに、スケジュール通りの納品はクライアントからの信頼性を守ることにもつながるでしょう。

思わぬところで印刷ミスを防ぐためには「特色で印刷してください」という意思表示やコミュニケーションが必要となりますので、「伝わっているだろう」という思い込みに注意して入稿するようにしましょう。
また、特色の入稿に関しては印刷会社によって異なりますので、あらかじめ発注予定の印刷会社へご確認してから作業に取り掛かりましょう。

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yoshida

デザイナー

キャンプとサウナとクルマを愛する東北出身のグラフィックデザイナー。 京都の銭湯サウナのレベルの高さに驚きを隠し切れない。

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