こんにちは。新人デザイナーのnakaiです。
今年の春にフィールドに入社し、通常業務と並行してコーポレートマガジン「1coto2coto(ひとことふたこと)」vol.7を制作しました。
「1coto2coto」とは
京都のデザイン会社であるフィールドが年2回発行するコーポレートマガジン。
会社案内パンフレットの枠を超え、会社と会社との間に新たなコミュニケーションを生み出すことを目指しています。
タイトルの「1coto2coto」は、私たちがデザインするうえで大切にしているお客様との対話を表しています。
新人の私が、会社の顔とも言えるコーポレートマガジンを作れるのか…と初めは不安な気持ちでしたが、同期の編集ライター・moriさんと一緒に、日々制作を進めてきました。
今回は、その制作過程をデザイナー目線でご紹介いたします。
1. リサーチ
vol.7を制作するにあたって、まずは、過去号をじっくり読み込みます。
それから、「1coto2coto」についてもっとよく知るために、社内でヒアリングを行いました。
話を聞いていくと、「気軽に手にとってもらいたい」「コミュニケーションを生み出すパンフレットにしたい」「旬な情報を盛り込んで、定期的に作り替えたい」など、様々な目標が見えてきました。
ちなみに、「1coto2coto」をいつか本屋さんに置いてもらうのが夢なんだそうです。
2. ラフの制作
本格的にデザインをする前に、まずはラフを制作します。
ページ構成、写真の大きさや配置、文章量など、大まかなデザイン案を作成して、方向性を決めていきます。
3. 撮影ディレクション
「1coto2coto」には、一緒にお仕事をしたクライアント様や日頃からお世話になっている会社との対談ページ、フィールドスタッフのインタビューページがあります。
それらのページや表紙に使う写真の「撮影」に関わる内容を決めていきます。
①撮影の計画
まずは「香盤表」を作成します。「香盤表」とは簡単に言うと撮影の進行スケジュール表のことで、各カットの撮影時間や撮影場所など、撮影に必要な情報を一覧にまとめます。
撮影するカット数、どこでどんな風に撮影するのか、「寄り」と「引き」どちらが必要かなどを事前に細かく決めておくと、撮影をスムーズに進めることができます。
それから、写真のトーンがわかる画像や、構図やシーンを説明できる参考写真を集め、コンタクトシートにまとめておきます。
ヒントになりそうなサンプル写真があると、撮影時に安心です!
②撮影当日
私が撮影の場に関わらせていただくのは、今回が初めて。撮影ディレクションの勉強ということで、先輩と一緒に撮影に立ち会わせていただきました。
計画していた構図で撮影できそうか確認したり、他にいいカットがないか探したり、アングルやポージングなどをカメラマンさん・被写体の方に的確に指示したり…
撮影ディレクションを担当するうえで、やるべきことがたくさんあるということを学びました。
それから、現場の雰囲気づくりに積極的に参加することも、ディレクターの大事な役目なのだと気が付きました。
4. デザイン・修正
制作したラフをもとに、紙面のデザインに入っていきます。
デザイントーンはこれまでの「1coto2coto」と揃えますが、前号と全く同じレイアウトにならないよう、変化をつけます。
シンプルなデザインって、簡単そうに見えて実はすごく難しいものです。
デザインできたぞ!と思っていざ紙に出力してみると、なんとなく締まりがなくてぼやっとした印象…。
そんなときは、文字詰めや余白のとり方など、細かいところを意識して調整するだけでも、クオリティがグッと上がったりします。
先輩デザイナーにデザインチェックをしてもらい、修正を繰り返します。
シンプルなデザインだからこそ、細部までしっかりこだわることが大切だと学びました。
デザインが一通り出来たら、社内で校正をしてもらいます。文章の誤字脱字や漢字の変換ミスなど思わぬ間違いが潜んでいる可能性があるので、しっかりとチェックしてもらい、正しく修正します。
社内校正が終わったら、取材先や掲載するクライアントの方にも確認をお願いします。
5. 入稿
いよいよ入稿の時がやってきました。入稿データを印刷会社へ送り出します。
そして、日々一生懸命制作してきたデザインが、冊子になって帰ってきます。
最初にページをめくる瞬間はちょっと緊張します。自分が作ったものを手に取る喜びはとても大きいです。
・・・
まだまだデザイナーとしての経験が浅い私ですが、今回の「1coto2coto」を通して、紙ツール制作の一連の流れを掴むことができました。
また、フィールドが今までどんなお仕事をしてきたのか、どんなクライアント様とどんなものを作ってきたのかを知ることができました。
そして、何かをデザインする上で「お客様と一緒につくること」が重要なのだと改めて感じました。
これからも人との関わりを大切に、デザイナーとして成長していけるよう頑張ります。
今回制作した「1coto2coto」vol.7は、フィールドのwebサイトでも公開予定です。ぜひチェックしてみてください!