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  5. 本気で遊んだ、限定100部のおもしろマガジン制作記

突然ですが、紙への愛を語らせてください。

 

こんにちは。takeshimaです。
みなさん、紙はお好きですか?

デジタルが主流な今の時代、私たちフィールドでもWeb媒体のお仕事が増えてきています。しかし、実際に手に取るという素晴らしい体験、それができるのは紙だけなのです!

フィールドは! 紙が大好きです!!

…ということで、この溢れんばかりの紙への愛をぎゅっと詰め込んだ、おもしろいコーポレートマガジンを制作してみました。

表紙からも伝わる、なんだこりゃ感。
今回の記事では、このなんだこりゃマガジン制作の裏側をお届けしようと思います。
おもろいもん作ってるやん! と思っていただけたら嬉しいです。

それでは、いってみよ〜。

テーマは印刷と加工


 

フィールドでは、コーポレートマガジンとして1coto2coto(ヒトコトフタコト)を継続して発行しています。

今回紹介する2coto3coto(フタコトミコト)は、そのスピンオフ号。限定100部、本気で遊んだマガジンを制作しました。
テーマは「印刷と加工」。デザイン×印刷・加工の可能性を追求したマガジンです。

スピンオフ号なので、デザインはいつものフィールドのイメージからガラッと変化をつけてみました。はっちゃけフィールドです。

印刷と加工をテーマにするからには、この冊子自体にもこだわった印刷と加工をしたい…。

そうだ、紙出を巻こう。

と思いつき、京都でおもしろい印刷といえば!な、修美社さんへ。

 

紙出…印刷の過程で出た余り紙や切れ端。

 

自社案件の乙女の祗園祭の他、クライアントワークでも度々お世話になっていて、ワクワクすることを一緒に考えてくれる良きパートナーです。

 

修美社さんに印刷をお願いしたクライアントワーク

 

今回、修美社さんには印刷だけでなく巻頭特集の取材にもご協力いただき、紙への愛を修美社代表の山下さんと弊社ディレクターのnagasakiで語り合ってもらいました。

印刷に関する興味深い話に、取材を忘れて全員で作品を覗き込むシーンがあったりと、楽しく取材させていただきました。

いい笑顔!

 

輝き☆を求めて


 

紙出を巻くだけではまだ物足りない私たち。
なにかしらの特殊加工をして、この冊子に限定100部にふさわしい輝きをプラスしたいな〜とリサーチをしていると、おうちで箔押しができるウチハクという文具を発見。

販売元は、日本の箔製品市場で6〜7割のシェアを誇る箔メーカー・村田金箔さん。大阪本社の横では、実際の箔に触れて仕組みを学べる箔の大実験場・HAKU-TIONを運営されているそうです。

ここに行けばウチハクを使ったおもしろいアイデアが浮かびそう! ということで、修美社さんに続き、こちらにも取材に行ってきました。

入ってすぐ、目の前に広がるのは色とりどりな箔たち。視界が箔でいっぱい。これは夢でしょうか。

箔の仕組みを説明してもらったあと、なんと手押し箔押機で箔押し体験をさせていただけることに。入ったときから上がり続けていたスタッフのテンションはいよいよ最高潮。
えー!いいんですかー!? と言いつつ、ちゃっかり1人3色も箔を選んで押してきました。

押してみると、結構難しい!
熱と圧力で箔をつけているので、ぐぐっと押し込むことがポイントなのですが、結構力を入れているつもりでも綺麗につかなかったり、思っている位置につかなかったり。ツルツルした紙の方が箔との相性が良いそうです。

わ〜〜〜〜〜〜!

出来上がった箔押しカードに、スタッフみんなで大喜び、大はしゃぎ。箔のチョイスにも個性が光っています。
これって押したらどうなるの!? みたいな箔も、押してみるとかっこよかったり、意外と控えめな輝きだったり、ここは本当に箔の実験場。たくさんの学びがありました。クライアントワークでもぜひ活かしたいですね。

ウチハクも手順やコツを教えていただきながらその場でチャレンジ。

熱と圧力でつける箔押しとは違い、こちらは糊や両面テープで手軽に箔をつけることができる商品です。
細いロール状の箔と、ペン型の糊などを販売されています。ペンの太さや形も色々あるみたいですよ。

表紙に箔でナンバリングしたいな〜という話も出ていたので、実際に数字を書いてみることに。

かわいい。決定です。

 

ときめきを探しに、紙出の倉庫まで


 

さて、取材も終わり、次は紙選びです。
一口に紙出を使うと言っても、修美社さんにはたくさんの種類の紙出が眠っていて、紙質や紙厚、サイズ、色は様々です。
とにかくこだわり抜きたい私たちは、運命の出会いを自分たちで探し出すんだ! と、後日特別に修美社さんの倉庫にもお邪魔させていただきました。

どこを見ても、紙、紙、紙。宝の山すぎる。
あれでもない、これでもない、と倉庫を探し回ります。

ウチハクを使ったナンバリングは帯紙に施すということもあり、自分たちの買ってきた箔とのカラーリングも大事です。さらにウチハクは熱と圧力で箔を転写する本来の箔押しとは違い、自宅でできるよう糊で簡易的に箔をつける文具。紙との相性がとっても大事で、紙によってはうまく箔がつかないのです。

良い紙に出会ったと思ったらウチハクとの相性が悪く綺麗に箔がつかない…。ウチハクは綺麗につきそうだけど、色がしっくりこない…。試行錯誤を繰り返します。

そうして選びぬかれた紙たちがこちら。

か、かわいい…!

普段あまり使うことのない色紙たちに、ときめきが止まりません。
思えばここが、紙出ラバー・フィールド誕生の瞬間。これを機に、ワークショップで使用したり、社内でのちょっとしたメッセージカードに使用したりと活用しまくりです。

紙出、ラブ。

 

ようやく入稿!印刷立会へ


 

デザインを完成させ、ついに入稿。印刷にも立ち会わせていただきました。

takeshimaはこれが初めての印刷立会。
CMYKの4つの版に分けられた自分たちのデザインを見て、今まで当たり前のように認識していた、印刷物が4色のかけ合わせで表現されているという事実の面白さを実感しました。あんなカラフルな誌面が、分解するとたったの4色なんですよ。印刷って、本当におもしろいですね。

刷りたてホヤホヤのものをその場で確認。
今回は自社のツールということもあり色校正なしで臨んでいたので、写真の色がどうなるのか心配していたのですが、綺麗に仕上がっていて安心しました。

ついこの間まで画面で見ていたものが実物になって返ってくる、何度経験しても嬉しいです。
断裁前のものも1部お土産でいただきました。

 

手作業で詰め込む、こだわりポイント


 

企画当初は帯紙を1種類、同じ形にカットし、修美社さんで製本までしてもらう予定であったこのマガジン。しかし今回制作するものは、本気で遊んだマガジンです。
もっと面白くできる、もっと遊べるはず、と社内でミーティングを重ねました。

その結果、帯紙は3パターンのデザインを4色ずつ、さらに3種類の形状にカット、そこから2種類をランダムに組み合わせて製本。製本はCMYKをイメージした4色の糸から2色を組み合わせてミシン製本をすることに。
自分でも何を言っているのか分からなくなってきましたが、とにかくすごく色んなパターンがあるということです。

あまりにも実験的すぎるため、修美社さんには本体の印刷までをお願いし、紙出を使った帯紙の印刷・カットと製本は社内で作業しました。

その後ミシンで縫って、最後にウチハクで1から100までを1つずつナンバリングし、ようやく完成です。

制作当時のスケジュールを振り返って見てみると、最後の社内作業だけで丸3日かかっていました。カッターを握り続けたからか、その後数日は指が痛かったことを覚えています…。

体力的にも大変でしたが、こだわった甲斐もあり1冊1冊表情の違う面白いマガジンに仕上がりました。

 

 


 

さて、今回は弊社のおもしろコーポレートマガジンを紹介してみましたが、いかがでしたか?

とにかくおもしろいものをつくることに全力を注ぎました。本気で遊びました。
8ページのマガジン制作に、なんと3ヶ月以上かけています。やりすぎです。
もっとクリティカルシンキングをしなければならない! と力説し、終盤で1見開きを白紙に戻したりしています。やりすぎです。(犯人は筆者のtakeshima)

こだわり尽くして、遊びに遊んだ2coto3coto。
みなさまが、フィールド×紙の可能性を感じてくれますように。

それでは、また次の記事でお会いしましょう〜。

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takeshima

デザイナー

デザイナー。やる気いっぱい、とにかくアツい。自宅の駐車場に住み着いている猫と仲良くなろうと奮闘中。道のりは長い。

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