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  5. 意外と知らない? 分版プレビュー活用のすすめ

こんにちは。キャンプをするにはベストシーズンになってきましたね。

最近ゴールデンウィークのキャンプ場を予約した、株式会社フィールドの印刷オタクことyoshidaです。

さてさて、今回はいつも印刷用の入稿データを作成またはチェックする際に、僕が活用している機能をご紹介したいと思います。

データ作成/チェックのポイント

デザインが校了になった後の入稿データを作成/チェックする際に気をつけているポイントはありますか?

 

□CMYKカラーになっているか
□特色はないか
□塗りたしはあるか
□文字のアウトライン化されているか
□不要な孤立点やオブジェクトがないか
□白ヌキ文字にオーバープリントは設定されていないか
□リンク画像はあるか(あればCMYKになっているか、解像度は足りているか)
□確認用PDFはあるか

 

・・・などなどが基本チェック項目としてあると思いますが、僕は上記の確認作業に「分版プレビュー」を活用しています。

分版プレビューとは?

Adobe Illustraterにデフォルトで搭載されている機能で、C・M・Y・Kそれぞれ1版づつの見え方をシュミレーションできる機能です。
使い方は、ウィンドウメニュー>分版プレビューでパネルが表示されます。(Adobe Illustrator 2020の場合)
[オーバプリントプレビュー]にチェックを入れると、CMYKそれぞれ版を表示/非表示させることができます。

 

▲1版ずつ表示できる。

 

分版プレビューでチェックできること

この機能を使って、僕は下記をチェックしています。

1. 特色の有無
プロセス4C(カラー)印刷の条件で印刷をお願いしている場合、4C+特色の5Cでは1版増えてしまいます。
その場合は、特色をプロセスカラーに変換して再入稿しなければなりません。[オーバプリントプレビュー]パネルを表示させると、どんな特色が使われているか表示されます。スウォチでも確認できますが、こちらの方が分かりやすいと思います。

▲4C+特色(DIC64s)の5版になっている。

 

2.白抜き文字のオーバープリントの有無
色ベタに白抜き文字のデザインの場合、白抜き文字にオーバープリントが設定されていると、印刷時は文字が消えてしまいます。印刷会社で確認用PDFとネイティブデータに差異がある場合は指摘していただけることもありますが、コスト重視のネット印刷ではスルーされる危険性も。

▲オーバープリントにチェックを入れると、緑ボックス内の「Designer」の白抜き文字が消えた!

 

3.K100%にしたい部分が4C(リッチブラック)になっていないか
RGBをCMYK変換すると墨(ブラック)が4Cで表現され、リッチブラックになります。特に見当合わせが難しい細かい文字や線の場合は版ズレが目立つ可能性や、文字が若干太ってみえてしまう可能性があり、思っていた仕上がりと差異が出てしまうことも。
最近ではQRコードの掲載依頼が増え、RGBの画像データをそのままCMYK変換し、4Cのリッチブラックになったままというのが多いです。QRコードが画像の場合、Photoshopで必ず[グレースケール]に変換し、K100%にするのが安全です。

 

リッチブラックとは?

K100%で印刷された墨でなく、CMYKそれぞれに網%を掛け合わせる表現方法。墨だけでは浅く感じる表現の場合に用いられることがある。各印刷会社の印刷技術によってその掛け合わせの網%は異なるが、C30 M30 Y30 K100が一般的とされている。

 

▲ブラックを非表示にしても表示されていると思ったら、文字とQRコードがリッチブラックになっている。

 

4.墨が「ノセ」か「毛抜き」か
デザインによっては墨100の下に4Cが透けて見えてしまいます。ノセか毛抜きかを選択して処理または印刷会社へ指示しましょう。

▲右の文字は「ノセ」、左は「毛抜き」の処理がされている。

 

まとめ

どうですか?地味に分版プレビューって便利ですよね。入稿データに不備があると納期が遅延してしまったり、納期に間に合ったとしても思っていた仕上がりと違うという原因につながります。
トラブル回避のためにも、ぜひ分版プレビューを活用してください!

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yoshida

デザイナー

キャンプとクルマが好きな東北出身のグラフィックデザイナー。

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