『サラバ!』西加奈子

先日のみちくさ文庫の会で紹介された本を、少しずつ更新していきたいと思います。まずは、私が紹介させていただいたこちらから。直木賞も受賞して、一時期本屋さんにずらーっと並んでいた話題作なので、読んだことがなくても、知っている人が多いかもしれません。以下、みちくさ文庫で語った内容ですので、完全に個人の感想です・・・。

西加奈子さんの作品は、宗教や生死観など、大きなテーマが描かれることが多いと思います。そんな数々の作品のなかでも、伝えたいテーマを余すことなく出し切った!表現しきった!感があるのが、この作品ではないでしょうか。上下巻ある長編小説で、主人公、およびそれを取り巻く人たちの、人生の苦しいこと、悲しいこと、恥ずかしいこと、全部ひっくるめて、何かもうあれやこれや(説明雑ですみません)が描かれるのですが。とくに宗教について丁寧に描かれているのがこの作品の特徴です。

すっごくお気に入りの言葉が一つあって「信じるものはなんでもよかったんだよねぇ」っていうセリフなんですが・・・。作中で出会ったとき、きっと「あぁそうだよね、宗教ってそういうことだよね」となるフレーズなんです。宗教問題にも通じる、自分の人生にも通じる、一つの答えが見つかる作品です。

あと、西加奈子さんに感じる、ラストに向けての文章の疾走感も、心地よい。ぜひ最後は一人きりで集中して、ビュウウウウっと音をたてて流れていく、言葉の勢いを肌で感じてください。ちなみにこの本、70歳を迎える私の父も「ちょっと泣いた」と言っていたので、年代問わずおすすめです。

ゴールデンウィーク、皆さんに紹介していただいた作品、一つずつ読んでいこうと思います!